QRコード
QRCODE

店長情報 トップページ
店長情報

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
イノセント作物
店長情報 › イノセント作物

2016年10月31日

パリで買わないで

しかしまあ、パリで買わないで、なんで日本でサンプルをバーゲンで買う?
パリで買ったのは、教会のチャリティーバザーの品々。
しかも、フランス語しか話さない(話せない)おばあさんとの、
クレジットカードの機械が故障した、しない、のやりとりは、悲惨。
強固なおばあさん→フランス語を少し英語にできるおばさん→英語を英語ができない人に説明できるおネエさん
この順序で、次から次へと人と人の橋渡し、数珠繋ぎされ、どうにか、わたしとの交渉は成立した。
(わたしが、泣く泣くあきらめて、カードを使えず現金で買った)

そのうちのひとつである、合い服コート、
買ってからパリでも、日本に帰ってきてからも引続き日本でも、じゃんじゃん着ている。
(飛行機の中では、機内荷物入れで、重いリュックを上にででんと乗せられ、ものの見事にべっちゃんこになった・・・)
気兼ねなく、着られるところが、とてもいい。
バザーなので、お古。ユーズド。
センスさえ合えば、とてもオススメ。
わたしは、手足が長いので、欧米サイズでぴったり。(じつのところは、ウエストが、窮屈)

と、なんのハナシ?
あ。そうそう、パリで古着。
ばか高い値段の服を、一流どころのお店で買う気がしない。
世界のセレブじゃあるまいし。

あるいは、なんのデザインもされていない(ように見える)、デザインのものがいい。
つまり、シンプル。
機能美。
清潔感ただよう、スッキリした装い。
これは、好感が持てる。  


Posted by イノセント作物 at 18:42Comments(0)

2016年09月05日

この町の十分の一

俺は、むしゃくしゃした気分で歩き回っていた。妻と喧嘩したのだ。
いつもの散歩コースの曲がり角を、曲がらずそのまま直進し、いくつかの角を気のむくまま曲がり、今は一度も足を踏み入れたこともない通りを歩いている。
通りに面して、本屋や雑貨店、喫茶店などなど、知らない店が並んでいる。
もちろん、すでにここがどの辺りかなんて、俺には全然分からない。そう、俺は今迷子だ。
携帯は、家を出るときに置いてきてしまったし、通りがかる人を捕まえて道を訊こうにも、あいにくだれも歩いていない。
さっきから俺は、この辺りの案内板か交番でもないか、キョロキョロ探しながら歩いていた。でも、そんなものなど、どこにもなかった。

日曜の午後、妻が康太郎のおしめを替えている横で、俺はゴロゴロ寝転がって、テレビのゴルフ中継を眺めていた。別にゴルフに興味があるわけではない。ただ、ヒマだったので、たまたま映ったチャンネルをそのままにしていただけ。
ふっと見ると、妻がこちらをにらんでいる。
かなりカチンときている表情。
俺は、慌てて起き直り、おそるおそる妻の顔色を伺いながら、
「あっ、おしめ替えるの手伝おうか?」
でも、この場では俺は間違った言葉を選択してしまったようだ。妻の表情がますます険しくなっただけ。
俺は手を伸ばして、おしめの袋を取ろうとする。でも、その手を妻は邪険に払いのけた。
「いいわよ! 触らないで! もう終わったから」
「そ、そっか? なにか、他にも手伝おうか? 遠慮なくいってくれ?」
下手にでた俺を鬼の表情でにらみ、

「なによ、それ! なんで『手伝おうか?』なのよ? あなただって康太郎の親なんでしょ? さも私が育児をするのが当然みたいに言わないで!」
「なんだよ! 俺がいつ、お前が育児するのが当然なんていったよ! ただ、お前が疲れたような顔しているから、親切で手伝おうとしただけだろ!」
「それがおかしいのよ! どうして、手伝うのよ? あなたも親なんだから、康太郎の世話をもっと積極的にするのが当然でしょ? それをテレビの前でゴロゴロしちゃって! 頭にきちゃう!」
あとは、いつものお定まりのパターン。妻が一方的に不満をぶちまけて、俺に口を挟む機会を与えたりはしない。
俺はただ黙ってそれを聴いているしかできない。いや、ただ聞き流しているだけか・・・・・・
「私のことなんか、なにも知ろうともしないくせに、偉そうなこと言わないで!」
最後に、妻の相手をあきらめテレビに見入るフリをしている俺の背に、そう言い放って、妻は康太郎を昼寝させに連れ出した。
それから、俺は散歩に出、そして、今、迷子になっているのだ。  


Posted by イノセント作物 at 13:17Comments(0)

2016年07月29日

バス停

駅が始発のバス路線、七つの系統、少し先に見えている交差点でそれぞれの方向へ別れていく直前のこの市民病院前のバス停まで、どのバスも必ず停まる。おかげで、さっきからバスが来たと思ってベンチから腰を上げるたび、目的地とは違う方向へのものばかりだった。
今もそう。目の前に停まって、一緒に待っていた何人かの乗客を吸い込み、駅から来た何人かの乗客を降ろしている。
やがて、すべての乗り降りが完了し、ブザーを鳴らしてドアを閉め、バスは出発していった。そうして、すこし先の交差点で私が行きたい方角とは、反対の方向へ曲がっていく。
――ふぅ~ いつになったらバス来るんだろう?
時刻表を眺め、スマホで時間を確認すると、到着時間からすでに二分ほど過ぎている。
――今日は、この先で道路工事やってるせいで道混んでいるから、時間通りに来ないのは仕方ないのだろうけど・・・・・・
スマホから視線を上げると、目の前に信号待ちで停車したくすんだ赤色の車がある。車窓のガラス越しにドライバーがあくびをしているのが見える。
思わず、私もつられそうになって、慌てて下を向く。

しばらくして交差点の信号が青に代わり、目の前の車の列がのろのろと動き始める。
前から車が去っていき、また新しい車が近づいてくる。ふと、通りの奥に目をやると、新しいバスが遠くに見えてきて、私の方へ向かってきている。
まだ、遠くて、路線番号までは確認できない。今度のバスはどうなのだろうか? 私の乗るバス? それとも、違うの?
じっと眺めていると、バスの正面が顔に見えてくる。ヘッドライトのレンズが眼で、ナンバープレートが口で。」
あ、今、目が合った。
バスはゆっくりと近づいてくる。私のいるところへ。私の待っている場所へ。

その視線に気が付いたのは、先週のことだった。
友達とおしゃべりしながら、教室の中で机を寄せ合ってお弁当を食べていた昼休み。なんとなく視線を感じて顔を上げると、私たちの教室に遊びにきていた隣のクラスの大沢くんが私の方を見ていた。
視線があったと思ったら、ふいと顔を背けた。
「ねぇ? 今、大沢くん、こっち見てなかった?」
声をかけてきたのは一緒にお弁当を食べていた田野っちだ。田野っちも大沢くんの視線に気が付いたみたいだ。
「うん。だね。なんか、視線があった途端に顔そむけられちゃったけど・・・・・・」
「そっか、やっぱり。さっきから、なんか見られてるなって感じてたんだけど、私が見返した時には、もうこっち見てなかったし」  


Posted by イノセント作物 at 17:26Comments(0)